研究課題
現在、悪性リンパ腫の予後因子としては、臨床的指標を基にしたInternational Prognosis Indexが最も一般的に用いられている。本研究の目的は、分子生物学的手法により悪性リンパ腫の予後との関連がが期待されている蛋白群の発現について、臨床検体を対象に免疫組織化学的な検討を行い、一般病理検査室における予後因子評価としての実用性を検討することにある。B細胞の増殖に対して抑制性に作用するBACH2蛋白の発現について、びまん性大細胞型リンパ腫(以下DLBCL)108例を対象にして免疫組織化学的に検討したところ、高発現例を32.4%、低発現例を67.6%に認めた。高発現群は低発現群に比し有意に良好な無再発率、全生存率を示した。BACH2の高発現は多変量解析においても独立した予後因子となることが示された。DLCBLはMLの中で最も頻度の高いsubtypeである一方、多様な遺伝子プロファイルをもつ腫瘍が混在する不均一な集団であり、本研究で得られたデータは、臨床上、症例の層別化治療に有用である。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
Int J Cancer 118(11)
ページ: 2782-2789
Adv Anat Pathol 12(6)
ページ: 324-331
J Clin Oncol 23(11)
ページ: 8012-8017