• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

アミロイド蛋白を標的としたアルツハイマー病治療に有効な漢方の探索及び作用機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 17790253
研究機関東北大学

研究代表者

藤原 博典  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10396442)

キーワード漢方 / アルツハイマー病 / β-アミロイド蛋白 / 釣藤鈎 / 牡丹皮 / 桂皮 / トランスジェニックマウス / ペンタガロイルグルコース
研究概要

釣藤鈎の主成分(rhynchophyllineおよびhirsutine)および桂皮の主成分(cinnamic acidおよびcinnamaldehyde)によるアミロイド(Aβ)蛋白凝集抑制作用について検討した。その結果、hirsutineに弱い凝集抑制作用は認められたものの、他の成分には作用が認められなかったため、これらの生薬のAβ蛋白凝集制御作用は他の成分によることが示唆された。
また、Aβ蛋白凝集抑制作用を有する生薬のさらなる発見を目的として、神経疾患に有効とされる生薬の有効成分についてスクリーニングしたところ、いくつかの候補化合物が発見された。これら化合物を含有している生薬は、アルツハイマー病の症状改善に有効である漢方の構成成分でもあることから、今後詳細に解析してアルツハイマー病治療に有効な生薬となりえるかどうかを検討していく予定である。
In vivo実験においては、トランスジェニックマウスの脳可溶性Aβ蛋白量について測定したとこと、桂皮および牡丹皮は蛋白量を減少させているのに対し、釣藤鈎のみ増加させていることが確認された。これはin vitro実験において、釣藤鈎のみAβ蛋白のオリゴマー成分を増加させるという結果と一致したことから、釣藤鈎はAβ蛋白の繊維化を阻害し、桂皮および牡丹皮はオリゴマー化を阻害することが示唆された。また、1,2,3,4,6-penta-O-galloyl-β-D-glucopyranose(PGG)は、牡丹皮と同様に脳可溶性Aβ蛋白量を減少させることが確認された。このことからも、PGGは牡丹皮のAβ蛋白凝集抑制作用の主成分であることが示唆された。

研究成果

(4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 学会発表

  • [雑誌論文] 漢方薬2008

    • 著者名/発表者名
      藤原 博典, 他
    • 雑誌名

      日本臨床 66

      ページ: 533-536

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 【認知症ケアと医療の地域連携】認知症でも穏やかに暮す 漢方治療の新展開2007

    • 著者名/発表者名
      藤原 博典, 他
    • 雑誌名

      Geriatric Medicine 45

      ページ: 1135-1138

    • 査読あり
  • [学会発表] Novel therapeutic strategies useful for Alzheimer's disease from medicinal herbs and traditional Chinese medical formula2007

    • 著者名/発表者名
      藤原 博典, 他
    • 学会等名
      第26回 日本認知症学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2007-10-18
  • [学会発表] 生薬および漢方を用いたアミロイドβ蛋白凝集抑制作用を有するアルツハイマー病予防薬の開発研究2007

    • 著者名/発表者名
      藤原 博典
    • 学会等名
      第24回 和漢医薬学会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2007-09-09

URL: 

公開日: 2010-02-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi