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2007 年度 実績報告書

神経変性・細胞死を抑制するプロテアソーム活性化因子の遺伝学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17790256
研究機関東京大学

研究代表者

倉永 英里奈  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (90376591)

キーワードプロテアソーム / ショウジョウバエ / スクリーニング / 神経変性疾患
研究概要

多くの神経変性疾患において、細胞内の異常タンパク質の凝集・蓄積とそれに伴う神経細胞死が共通する病態としで知られている。通常細胞内の異常タンパク質は、タンパク質分解機構の一つであるユビキチンプロテアソームシステム(UPS)によって分解され細胞内の恒常性が維持されているが、UPSが正常に働かない場合、細胞内の異常タンパク質は凝集体を形成して神経変性や神経細胞死を引き起こすことが明らかになりつつある。しかしながら、実際にプロテアソーム活性の変化と神経変性疾患の関与に関して、in vivoで解析を行った研究はこれまでに少ない。我々は、ショウジョウバエをモデル生物として用いて、in vivoにおける神経変性とプロテアソーム活性の関与を示すことを試みた。これまでに行った神経変性抑制因子の過剰発現型スクリーニングにより、DANC系統を同定した。DANC系統による抑制型表現系の原因を特定するために、DANC系統がコードする遺伝子の探索を行ったところ、その候補に26Sプロテアソームの構成因子であるRpn11が同定された。DANC系統ではRpn11の過剰発現により、神経変性の抑制表現型が得られたと考えられる。Rpn11がプロテアソーム構成因子であることからプロテアソーム活性に着目し、ショウジョウバエ個体におけるプロテアソーム活性を測定したところ、DANC系統及びRpn11発現系統において恒常的にプロテアソーム活性が上昇しているという結果を得た。また、ショウジョウバエにおいてRpn11遺伝子のノックダウンを行ったところ、プロテアソーム活性の減少・神経変性様表現系の表出が確認されたことから、in vivoにおける神経変性とプロテアソーム活性の変化が密接に関係していることが示唆された。本研究の成果は、現在投稿準備中である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] DIAP2 functions as a mechanism-based regulator of drICE that contributes to the caspase activity threshold in living cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Ribeiro PS, Kuranaga E, Tenev T, Leulier F, Miura M, Meier P.
    • 雑誌名

      J Cell Biol. 179

      ページ: 1467-1480

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Local initiation of caspase activation in Drosophila salivary gland programmed cell death in vivo.2007

    • 著者名/発表者名
      Takemoto, K., Kuranaga, E., Tonoki, A., Nagai, T., Miyawaki, A., and Miura, M.
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 104

      ページ: 13367-72

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tumor Suppressor CYLD regulates JNK-induced cell death in Drosophila.2007

    • 著者名/発表者名
      Xue, L., Igaki, T., Kuranaga, E., Kanda, H., Miura, M., and Xu, T.
    • 雑誌名

      Developmental Cell 13

      ページ: 446-454

    • 査読あり
  • [学会発表] in vivoイメージングにより解析する器官形成のダイナミクス2008

    • 著者名/発表者名
      倉永英里奈
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会ニューメディカルマイクロスコープ分科会平成19年度シンポジウム
    • 発表場所
      東京都板橋区
    • 年月日
      2008-03-18
  • [学会発表] カスパーゼの新たな生理機能とその調節メカニズム2007

    • 著者名/発表者名
      倉永英里奈, 三浦 正幸
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      20071211-15
  • [学会発表] 遺伝学的解析により明らかになったIKKεの新しい生理機能2007

    • 著者名/発表者名
      倉永英里奈, 三浦 正幸
    • 学会等名
      第28回日本炎症・再生医学会
    • 発表場所
      東京都新宿区
    • 年月日
      20070802-03
  • [学会発表] In Vivo Imaging of Caspase Activation During Drosophila Development2007

    • 著者名/発表者名
      Erina Kuranaga, Masayuki Miura
    • 学会等名
      第8回日本ショウジョウバエ研究会
    • 発表場所
      兵庫県淡路島
    • 年月日
      20070702-04
  • [学会発表] ショウジョウバエ外部生殖器形成過程における細胞死シグナルの可視化2007

    • 著者名/発表者名
      倉永英里奈, 三浦 正幸
    • 学会等名
      第40回日本発生生物学会
    • 発表場所
      福岡県福岡市
    • 年月日
      20070528-30
  • [備考]

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~genetics/index.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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