研究概要 |
1.サイクロフィリンAとMCMV蛋白との関連検索 サクロフィリンA(CyPA)とサイクロフィリンB(CyPB)に特異的なsiRNAを用いて内因性CyPA, CyPBの発現を低下させたところ、神経幹細胞においてCyPA発現低下のみがMCMV感染抑制を引き起こした。CyPAとの結合蛋白を調べるために、MCMV感染細胞のlysateと非感染細胞lysateを準備し、cypA抗体を用いて抗原・抗体反応後、protein Gを共有結合させたアガロースビーズを加える。分離精製後、蛋白質複合体をSDS-PAGEで分離しCBB染色を行い、western blottingのためMCMV IE1抗体で染色した。Western blottingの結果、CyPA蛋白とIE1蛋白が結合することが確認できた。現在他のCyPA蛋白と結合するウイルス蛋白を確認するため、感染細胞lysate特異的に検出された未知のバンドを回収し、プロテアーゼ消化、プロテアーゼ切断してできたペプチドをプロテインシークエンスサーにて配列を解析を試みている。 2.MCMV脳潜伏感染マウスの作成 C57BL/6マウスまたはBALB/cマウス新生児脳内にlacZを発現する変異ウイルス(RM453)を感染させ、脳内にCMV潜伏感染したマウスを作成する。感染後4〜6ヶ月後に神経細胞移植実験のrecipientとして用いた。 3.BALB/cマウスとC57BL/6マウスとラットより神経幹細胞を採取・培養 同種間、異種間神経幹細胞移植を成立させるため、BALB/c, C57BL/6マウス、ラットの新生児またはadultより神経幹細胞を採取培養する。EGF, FGF存在下で継代培養を行い、neuron, glia, oligodendrocyteへの3系統の細胞への分化を確認する。神経幹細胞を移植実験に用いた。移植後に脳に潜伏感染したMCMVが再活性化してくるか否かを現在検討中である。
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