研究課題
α-tocopherol(Vitamin E)は生体膜構成成分として抗酸化作用、また生体膜の安定化作用を担うことで重要な生理的役割を果たしている。α-tocopherolは食餌より生体内にとりこまれ、腸管からの吸収後、α-tocopherol輸送タンパク(α-TTP)の働きにより肝臓から血中に供給される。α-TTPをノックアウトすることにより、極めて高い末梢酸化ストレスレベルを示すC57BL/6^<α-TTP-/->(TTP-KO)マウスマラリア感染モデルを用いることにより、高酸化ストレス状態がマラリア感染に及ぼす影響をin vivoで検証した。Plasmodium berghei ANKA、またはP.yoelii XL感染赤血球をTTP-KOマウスに腹腔内投与し04感染動態を観察した。P.berghei感染群では対照群と比較し有意に生存期間が延長し、また脳マラリアも惹起されなかった。一方P.yoelii感染群では原虫の増9殖がほとんどみられず、100%のマウスが耐過、生存することが明らかとなった。またスポロゾイト投与による感染動態を観察したところ、感染赤血球投与の場合と同様の挙動を示した。これらの結果よりα-TTPの欠損はマラリア感染に対し防御的に働く、防御効果は主として赤血球ステージをターゲットとしていることが示唆された。
すべて 2005
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