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2006 年度 実績報告書

HTLV-1遺伝子発現のエピジェネティックな抑制機構

研究課題

研究課題/領域番号 17790303
研究機関新潟大学

研究代表者

高橋 雅彦  新潟大学, 医歯学系, 助手 (80377192)

キーワードATL / HTLV-1 / Tax / クロマチンリモデリング
研究概要

ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスである。HTLV-1はCD4陽性T細胞特異的に潜伏感染し、平均50年の潜伏期間を経てATLを発症する。本研究ではヌクレオソーム構造変換に関わるクロマチンリモデリング因子がHTLV-1潜伏過程に関与するのか否かを検討するため、以下の解析を行った。
1.まずクロマチンリモデリング因子hBrm存在下におけるHTLV-1プロモーター活性を検討した。HTLV-1プロモーターの下流側にルシフェラーゼ遺伝子を連結したレポーターベクターを用いてルシフェラーゼ活性を測定したところ、HTLV-1プロモーター活性はhBrm存在下において抑制されることが明らかとなった。
2.次にウイルス自身がコードする転写活性化因子Taxが上記の現象に関与するのか否か解析した。興味深いことに、hBrmによって誘導されるHTLV-1プロモーター活性の抑制はTaxによって解除されると同時に、転写亢進を誘導することが明らかとなった。さらにその分子メカニズムを検討するため、Tax存在下および非存在下においてhBrmがHTLV-1プロモーターに結合するか否かをクロマチン免疫沈降法により解析した。すると、Tax非存在下ではhBrmがHTLV-1プロモーターに結合したが、Tax存在下ではプロモーター結合活性が消失していた。
3.hBrmの発現は一部ヒトがん細胞株において欠損する傾向がある。そこで、複数のATL由来細胞株におけるhBrmの発現動態を解析したところ、調べたすべての細胞株においてhBrmが安定に発現していた。興味深いことにHTLV-1のターゲットであるCD4陽性T細胞においてhBrmが強く発現していることが報告されており、上記の結果はウイルス潜伏過程においてhBrmが有利に作用する可能性を示唆する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Inactivation of tumor suppressor Dlg1 augments transformation of a T-cell line induced by human T-cell leukemia virus type 1 Tax protein.2006

    • 著者名/発表者名
      Ishioka, K., Higuchi, M., Takahashi, M., Yoshida, S., Oie, M., Tanaka, Y., Takahashi, S., Xie, L., Green, P.L., Fujii, M.
    • 雑誌名

      Retrovirology 3

      ページ: 71

  • [雑誌論文] Human T-cell leukemia virus type 2 Tax protein induces interleukin 2-independent growth in a T-cell line.2006

    • 著者名/発表者名
      Kondo, R., Higuchi, M., Takahashi, M., Oie, M., Tanaka, Y., Gejyo, F., Fujii, M.
    • 雑誌名

      Retrovirology 3

      ページ: 88

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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