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2006 年度 実績報告書

転写因子AP-4によるHIV遺伝子発現抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17790309
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

今井 健一  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (60381810)

キーワードHIV / AP-4 / 潜伏感染 / HDAC / 転写抑制
研究概要

多くの研究成果から、HIVの転写活性化は宿主細胞の転写活性化因子NF-κBとウイルスの持つトランス活生化因子Tatによって段階的に制御されていることが明らかとなった。
しかしながら、HIVの転写活性化機構が転写因子レベル、あるいはクロマチンレベルで明らかとなった一方で、HIV転写の負のメカニズムに関しては不明な点が多い。HIV発現の抑制機構が転写レベルで明らかとなれば、潜伏感染維持機構の解明へとつながることが期待できる。
本研究課題では、HIV LTRのTATA box近傍に転写因子AP-4の結合サイトが存在し、AP-4がHIV発現の抑制因子として機能していることを見いだした。
種々のHIV LTRの配列を調べた結果、AP-4の結合配列がよく保存されていることがわかった。そこで、HIVの遺伝子発現とウイルス複製に対するAP-4の影響を調べた結果、AP-4はHIVの転写と複製を強く抑制した。次に、AP-4による詳細な抑制機構を調べたところ、AP-4がTBPのTATA boxへの結合を阻害しているのと同時に、AP-4はHDACと結合しHDACをLTRにリクルートしていることが明らかとなった。この現象は、HIV慢性潜伏感染細胞をもちいたChIP assayにおいても確認でき、未刺激の状態ではAP-4がLTRに結合し、TATA boxをマスキングすると同時にHDACをLTRにリクルートしており、TNF-αの刺激が入るとAP-4がLTRから遊離し代わりにTBPとpol IIがLTRにリクルートされていた。
以上の結果から、感染細胞内でのAP-4の動態がHIVの潜伏感染維持に重要な役割を担っている可能性が推察された。なお、本研究成果はJ. Biol Chem. (Imai k and T, okamoto, vol.281, p.12495-12506, 2006)に発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2003

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Inhibition of Human Immunodeficiency Virus Type 1 (HIV-1) Replication in Latently Infected Cells by a Novel IKK Inhibitor.2006

    • 著者名/発表者名
      Victoriano, A.F.B
    • 雑誌名

      Antimicrob.Agents.Chemother. 50

      ページ: 547-555

  • [雑誌論文] Transcripional Repression of Human Immunodeficiency Virus Type 1 by AP-4.2003

    • 著者名/発表者名
      Imai, K.
    • 雑誌名

      J.Bioi.Chem. 281

      ページ: 12495-12505

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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