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2005 年度 実績報告書

自然免疫系によるウイルス特異的分子パターン認識機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17790320
研究機関大阪大学

研究代表者

竹内 理  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10379092)

キーワードインターフェロン / ヘリカーゼ / シグナル伝達 / ウイルス / 樹状細胞
研究概要

自然免疫系は二本鎖RNAなどウイルス特異的分子パターンを認識し、I型インターフェロン(IFN)や、炎症性サイトカインを産生し感染防御を行っている。感染初期の二本鎖RNA(dsRNA)認識に、Toll-like receptor 3(TLR3)、一本鎖RNA、DNAの認識にTLR7,TLR9がそれぞれ重要な役割を果たしている。しかしながら、TLRは膜タンパクであり、細胞質内でのウイルス複製過程で産生されるdsRNAの認識を行うことは出来ず、細胞質内の受容体の存在が予測されていた。2004年、藤田らにより細胞質内ヘリカーゼ分子RIG-IがdsRNAの認識、I型IFN反応に関わることが示唆されたがその生体内における役割は明らかとなっていなかった。そこで、我々はRIG-I欠損マウスを作製しその役割を、TLRを欠損するマウスと比較することにより解析した。RIG-I欠損マウスは大部分が胎生13.5日頃、肝細胞の変性により死亡した。マウス線維芽細胞を用いた解析の結果、RIG-IがいくつかのRNAウイルス感染に対するIFN-b, IFN誘導遺伝子群の発現に必須であることが明らかとなった。これに対し、TLRは重要な役割を果たしていなかった。更に、シグナル伝達機構を解析するとRIG-IはNew Castle Disease Virus(NDV)感染に対する転写因子IRF-3やNF-kBの活性化に必須であった。我々は更に免疫担当細胞である樹状細胞(DC)を用いて解析を行った。Conventional DCのNDV感染においては線維芽細胞と同じくRIG-I依存性にI型IFN産生が認められた。これに対し、plasmacytoid DCはRIG-I非依存性にIFNを産生し、その産生はTLRに依存的であった。したがって、ウイルス感染に対し、細胞特異的なメカニズムによりIFN産生が制御されていることが明らかとなった。
また、RIG-Iシグナルに関わる分子としてIPS-1を同定した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Cell type specific involvement of RIG-I in antiviral response2005

    • 著者名/発表者名
      Kato H, Sato S, Yoneyama M, Yamamoto M, Uematsu S, Matsui K, Tsujimura T, Takeda, K, Fujita, T, Takeuchi O, Akira S.
    • 雑誌名

      Immunity 23

      ページ: 19-28

  • [雑誌論文] IPS-1, an adaptor triggering RIG-I and Mda5-mediated type I interferon induction.2005

    • 著者名/発表者名
      Kawai T, Takahashi K, Sato S, Coban C, Kumar H, Kato H, Ishii KJ, Takeuchi O, Akira S.
    • 雑誌名

      Nat.Immunol. 6

      ページ: 981-988

  • [雑誌論文] Essential function for the kinase TAK1 in innate and adaptive immune responses.2005

    • 著者名/発表者名
      Sato S, Sanjo H, Takeda K, Ninomiya-Tsuji J, Yamamoto M, Kawai T, Matsumoto K, Takeuchi O, Akira S.
    • 雑誌名

      Nat.Immunol. 6

      ページ: 1087-1095

  • [雑誌論文] A-Toll-like receptor-independent antiviral response induced by double-stranded B-form DNA.2005

    • 著者名/発表者名
      Ishii KJ, Coban C, Kato H, Takahashi K, Torii.Y, Takeshita F, Ludwig H, Sutter G, Suzuki K, Hemmi H, Sato S, Yamamoto M, Uematsu S, Kawai T, Takeuchi O, Akira S.
    • 雑誌名

      Nat.Immunol. 7

      ページ: 40-48

  • [雑誌論文] Interleukin-1 receptor-associated kinase-1 plays an essential role for Toll-like receptor (TLR)7- and TLR9-mediated interferon-alpha induction.2005

    • 著者名/発表者名
      Uematsu S, Sato S, Yamamoto M, Hirotani T, Kato H, Takeshita F, Matsuda M, Coban C, Ishii KJ, Kawai T, Takeuchi O, Akira S.
    • 雑誌名

      J.Exp.Med. 201

      ページ: 915-923

  • [雑誌論文] Essential role of BAX, BAK in B cell homeostasis and prevention of autoimmune disease.2005

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi O, Fisher J, Suh H, Harada H, Malynn BA, Korsmeyer SJ.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci U S A. 102

      ページ: 11272-11277

  • [図書] Innate immunity.Encyclop.Mol.Cell Biol.Mol.Med.2nd Ed.Vol.72005

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi O, Akira S.
    • 総ページ数
      22
    • 出版者
      Wiley, VCH, Weinheim

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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