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2005 年度 実績報告書

ペア型レセプターPILRによる新たな免疫制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17790321
研究機関大阪大学

研究代表者

白鳥 行大  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90379090)

キーワードペア型NK細胞受容体 / PILRレセプター / PILRリガンド / 自然免疫
研究概要

<研究の目的>
NK細胞や樹状細胞などの抗原提示細胞には多くのペア型レセプターが発現している。しかし、これらのペア型レセプターが認識するリガンドに関しては、活性型NKG2Dレセプターが認識するNKG2Dリガンド(多くがストレスや癌化、ウイルス感染によって発現誘導される)、また抑制型KIRやLy49レセプターが認識するMHC class Iなどの自己抗原以外は殆ど不明である。本研究では、申請者らが明らかにした新たなペア型レセプター(PILR)及びそのリガンド(PILR-L1)の相互作用によって自然免疫応答がどのように制御されているのかを解明することを目的とした。
<2005年度の成果>
PILR-PILR-Lの相互作用によって惹起される免疫応答を解析するため、レセプターおよびリガンドを特異的に認識するモノクローナル抗体を作成し、NK細胞や樹状細胞上に発現するレセプターおよび広範囲に発現するリガンドPILR-L1の詳細な発現分布が明らかとなった。さらに、活性化PILRの12量体Igキメラ分子では認識されるが、PILR-L1の発現が認められないB16メラノーマのcDNAライブラリーより、新規膜分子であるPILR-L2をクローニングした。PILR-L2は正常細胞での発現が全く認められず、腫瘍細胞特異的なリガンドである可能性が高いと考えられた。またPILR-L2にはアミノ酸レベルで80%強の相同性を示すヒトホモログが存在し、実際にヒトPILRによって認識された。一方、抑制化PILRのみに認識される新たなヒトPILRリガンドも同定し、腫瘍細胞の免疫逃避機構に関与していると考えられた。さらにPILR-PILR-Lの相互作用を個体レベルで解析するため抑制化PILRのノックアウトマウスの作成を行い、現時点ですでに解析可能なマウスの準備をしており、平成18年度は担癌モデルおよび自己免疫疾患モデルでの評価を中心に解析し、PILRレセプターが免疫応答の惹起、また過剰応答の抑制にどの程度関与しているかを明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Efficient leukocyte IG-like receptor signaling and crystal structure of disulfide-linked HLA-G dimer2006

    • 著者名/発表者名
      Shiroishi Mitsunori
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry (In press)

  • [雑誌論文] Down-regulation of basophil function by human CD200 and human herpesvirus-8 CD2002005

    • 著者名/発表者名
      Shiratori Ikuo
    • 雑誌名

      Journal of Immunology 175

      ページ: 4441-4449

  • [雑誌論文] Heterotypic interaction of CRTAM with Nec12 induces cell adhesion on activated NK cells and CD8+T cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Arase Noriko
    • 雑誌名

      International Imuunology 17

      ページ: 1227-1237

  • [雑誌論文] PILRを介するNK細胞、樹状細胞の活性化2005

    • 著者名/発表者名
      白鳥 行大
    • 雑誌名

      Molecular Medicine「免疫2005」 41

      ページ: 221-228

  • [雑誌論文] NK細胞によるウイルス感染細胞の認識機構2005

    • 著者名/発表者名
      白鳥 行大
    • 雑誌名

      実験医学 23

      ページ: 1525-1530

  • [雑誌論文] PILRによる自然免疫制御2005

    • 著者名/発表者名
      白鳥 行大
    • 雑誌名

      臨床免疫 43

      ページ: 299-306

  • [産業財産権] PILRαと結合するポリペプチド、およびそれをコードするポリヌクレオチド、並びにその利用2006

    • 発明者名
      荒瀬 尚, 白鳥 行大, 前中 勝美
    • 権利者名
      荒瀬 尚, 白鳥 行大, 前中 勝美
    • 産業財産権番号
      特願2006-052750
    • 出願年月日
      2006-02-28

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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