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2005 年度 実績報告書

日本の医療保険制度が平均在院日数に及ぼす影響についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 17790339
研究機関東京大学

研究代表者

康永 秀生  東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90361485)

キーワードDPC / 包括支払制度 / 平均在院日数 / 材料費率
研究概要

一年目の研究として、東京大学医学部附属病院の平成15年度におけるDPC入院レセプトのうち、個人情報を除くデータ(DPCコード、入院日数、入院医療費等)を収集した。787診断群分類、計3,138人、延べ入院日数41,313日に達するデータが得られた。DPCコードおよび在院日数から、患者ごとのDPCにおける診療点数を計上し、それらを診断群ごとに分類集計した。さらに、各ケースで出来高払い方式により請求した場合の入院基本料・投薬量・注射量・検査料等を計上し、それらの総額とDPCにおける診療点数とを比較した。その結果、DPC点数/出来高支払点数の比率は平均1.041であり、DPCによる診療点数が平均4%程度高くなる傾向が示された。さらに各ケースにおける医療材料費をレセプトデータおよび処置オーダーのデータから推計し、各診断群分類別に医療材料費率(収入に対する医療材料費の比率)を算出した結果、全体の平均は20.8%であり、外科系疾患の材料費率がやや高い傾向にあった。医療材料投入費の在院日数別の分布を診断群ごとに調べた結果、外科手術疾患においては手術当日および術直後の一定期間において材料投入が集中、内科急性期疾患においては入院後数日〜1週間に材料投入が集中しており、平均在院日数短縮によっても1入院当たりの材料費はほとんど軽減できないことが明かとなった。在院日数を短縮した場合の収支変動を示した数理モデルによって、平均在院日数短縮による増益をシミュレートしたところ、外科手術および心カテーテル・インターベンションについては収入増が材料費増を上回ったが、保存的治療を行う内科的疾患の多くは逆に在院日数短縮による平均材料費増が収入増を上回った。このことからDPCに基づく包括支払制度は、在院日数短縮の経済的インセンティブが必ずしも働かないことが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Impact of the Japanese Diagnosis Procedure Combination-based payment system on cardiovascular medicine related costs.2005

    • 著者名/発表者名
      Yasunaga H, Ide H, Imamura T, Ohe K.
    • 雑誌名

      International Heart Journal 46(5)

      ページ: 855-866

  • [雑誌論文] DPCに基づく包括支払い制度の改善試案2005

    • 著者名/発表者名
      康永秀生, 井出博生, 今村知明, 大江和彦.
    • 雑誌名

      病院管理 42(2)

      ページ: 147-159

  • [雑誌論文] 特定機能病院を取り巻く諸制度の状況とDPC導入に伴う影響について.2005

    • 著者名/発表者名
      今村知明, 康永秀生.
    • 雑誌名

      日本臨床麻酔学会誌 25(5)

      ページ: 455-465

  • [図書] 医療経営学2006

    • 著者名/発表者名
      今村知明, 康永秀生, 井出博生
    • 総ページ数
      345
    • 出版者
      医学書院

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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