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2005 年度 実績報告書

生体ドナーの適応拡大が及ぼす心理、社会的影響についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 17790340
研究機関東京大学

研究代表者

藤田 みさお  東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任研究員 (50396701)

キーワード臓器移植 / 生体ドナー / 心理・社会的側面 / 医療倫理
研究概要

日本における臓器移植は、腎臓で約80%、肝臓で98%以上が生体ドナーに依存している。これまで生体ドナーの適応範囲は、各医療施設の判断によって概ね2親等から4親等の親族に限られてきた。親族以外からの臓器提供では、さまざまな利害関係(臓器売買など)の生じる可能性が懸念されるからである。しかし、平成15年10月、日本移植学会は生体ドナーの適応範囲を「6親等以内の血族と3親等以内の姻族」に拡大し、条件つきで「親族以外」からの臓器提供も認める倫理指針(改定)を出した。しかし一方で、生体ドナーの適応拡大は現代の家族形態から見て広すぎる、脳死体からの移植促進が先決である、などの批判もあがっている。何らかの政策や指針を導入する際には、それによって影響を受ける人々の意識をまず調査し、慎重に検討することが重要である。特に、人々の関心や社会的合意がその成功を左右する生体移植のような新しい医療領域においては、必要不可欠な手続きと言える。しかし、先述した倫理指針の改定も、それに引き続くさまざまな批判も、充分な調査を行い、社会的議論を尽くしたうえで行われたものとは言い難い。そこで本研究では、生体ドナーとして臓器提供してもよいと考えるレシピエントとの関係性とは一般に「どの範囲」を指すのか、質問紙調査によって明らかにすることを目的とした。生体ドナーの適応拡大(特に親族以外のドナーや匿名ドナー)については、近年主に欧米諸国からの研究報告が散見するようになった。平成17年度は主に、わが国における生体ドナーの適応拡大について考察を加え、質問紙を作成すべく、諸外国の現状や拡大後の社会的影響などについての先行研究をレビューした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] A model of donors' decision-making in adult-to-adult living donor liver transplantation in Japan : having no choice2006

    • 著者名/発表者名
      Fujita, M, Akabayashi A, Slingsby, BT, Kosugi, S, Fujimoto, Y, Tanaka, K.
    • 雑誌名

      Liver Transplantation (in press)

  • [雑誌論文] 成人間生体肝移植における3つの自発的同意のあり方-ドナーを対象としたインタビューから-2006

    • 著者名/発表者名
      藤田みさお, 赤林朗
    • 雑誌名

      心療内科 (in press)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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