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2006 年度 実績報告書

抗生物質使用と乳癌発生の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 17790348
研究機関東京大学

研究代表者

小出 大介  東京大学, 医学部附属病院, 特任助教授 (50313143)

キーワード乳癌 / 抗生物質 / ケースコントロール研究 / データベース / リスク / オッズ化 / 薬剤疫学
研究概要

抗生物質の使用による乳癌発生を検討するため、ケースコントロール研究を計画した。本年度は保険者からのレセプトデータをもとに解析を行った。なお個人が特定されるデータは含まれない。
データは2004年12月から2006年6月であり、その間に乳癌の確定診断をされたのは699人、乳癌の疑い診断をされたのが665人、乳癌の病名はないが、乳癌治療薬や検査から乳癌が疑われる患者は287人で、総計1,651人が乳癌または乳癌の疑いと認められた。そして年齢でマッチングしたコントロール群は、ケースの10倍の16,510人を選んだ。なおケースもコントロールも交絡を避けるため、子宮摘出患者は除外した。抗生物質投与後に乳癌が確定した患者は39人(5.6%)で、抗生物質投与後に同様に乳癌の疑いがあるとされた患者は260人(27.3%)、あわせて299人(18.1%)であった。一方、コントロール群の内、抗生物質を投与された患者は7,822人(47.4%)であった。抗生物質投与後に乳癌になるかのオッズ比は、乳癌の確定診断に限ると0.07、乳癌の疑いも含めると0.25となった。この結果からは抗生物質投与で乳癌のリスクをあげるとはいえない。むしろリスクを下げているようにみえるが、これはデータの収集期間の一年半はあまりに短く、抗生物質投与後に乳癌となったケースがコントロールの中の抗生物質使用者に比べて極端に少なかったことに起因する。癌化には数年以上かかることから、さらに対象期間を広くする必要がある。今回はデータの獲得の制限上、期間が短くなったが、さらに追跡調査が必要である。またレセプトデータでは自費治療は含まれないことから交絡因子となりうる経口避妊剤の使用やBMIや出産階数、家族歴などの情報は得られないという限界もある。そこで次年度は病院情報システムからのデータで検討を行う。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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