研究概要 |
以前の研究でチロシン残基が重要になっていることからSVVYGLRのうち、少なくともN末端とC末端は、血管新生作用にとって重要ではないことが示唆された。そこでN末端とC末端にGを結合させた合成ペプチドを用いて動物実験をおこなった。GSVVYGLR,SVVYGLRG共に血管新生作用を損なうことがなかった。よってSVVYGLRのN末端またはC末端を、キャリアタンパク質との結合部位として利用することが可能となり幅広い応用が期待できる。 修飾SVVYGLRのDDSとしての作用期間の検討としてSVVYGLR,GSVVYGLR,GGGSVVYGLRを合成し動物実験をおこなった。ペプチドはGの修飾の数に対応して血管新生作用に作用時間の違いが生じた。 このSVVYGLRペプチドは、その血管新生能から人工臓器の移植時や虚血生心疾患などの多くの医療分野において有効に利用できる可能性を秘めている。さらには、このペプチドの機能を阻害させるデザインを構築することにより、新たな抗癌剤の開発や軟骨再生治療にも有効となりうると考える。
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