研究概要 |
平成18年度は以下の点を明らかにした。 Ambulatory arterial stiffness indexおよび脈圧と予後予測能 Ambulatory arterial stiffness index(AASI)とは、自由行動下血圧測定によって得られる新しい血圧変動の指標であり、動脈硬化を反映すると言われている。さらに、この指標は高血圧患者において脳卒中死亡と関連することが最近報告された。そこで、一般地域住民を対象とした大迫研究の対象者1542人において予後との関連を検討した。13年間の追跡中に126人が脳心血管病(うち63名は脳卒中)で亡くなった。AASIは脳心血管病死亡率とU字型の関連を呈し、各種危険因子補正後の第1Quartileから第4Quartileのハザード比は1.40(P=0.04),0.82(P=0.25),0.64(P=0.01),および1.35(P=0.03)であった。脳卒中死亡においても同様の関連が認められた。また、上記の関連は動脈硬化を反映する別の血圧変動の指標である脈圧を補正しても有意であった。結論として、日本の一般地域住民においても、AASIは脳心血管死亡および脳卒中死亡予後と独立して関連することが示された。
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