研究課題
4213名の血清測定値を得た。血清測定値の平均値はそれぞれ男女別にアディポネクチンが6.7μg/ml、10.7μg/ml、TNF-αが13.5pg/ml、12.5pg/ml、IL-6が2.22pg/ml、1.81pg/ml、高感度CRPが0.10mg/dl、0.08mg/dlであった。Body mass index (BMI)が25kg/m^2以上で判定した肥満の割合は男性25.4%、女性12.9%であり、腹囲の代わりにBMIを用いたNCEP ATP-III基準によるメタボリックシンドローム(MS)の有病率は男性11.5%、女性4.2%であった。男性において、MSの構成要素数が増えるに従い、アディポネクチン濃度は有意に低下、高感度CRP濃度は有意に増加した。TNF-α、IL-6とMS構成要素数との間には統計学的に有意な線形の関連は認められなかった。MSの構成要素について何ら異常を有さない714名の男性において、アディポネクチンと高感度CRPの間に統計学的に有意な負の関連性が認められ、アディポネクチンの抗炎症作用を示唆する結果と考えられた。また、アディポネクチンと出生時体重との関連を検討したところ、低出生時体重の者では成人期における血清アディポネクチンが低値となる傾向が認められた。腹囲調査は6409名(男性5269名、女性1140名)から有効回答が得られた(調査用紙配布数の65%)。腹囲の平均値(標準偏差)は男性84.7(7.5)cm、女性74.0(9.2)cmであった。日本肥満学会基準による腹部肥満者(男性85cm以上、女性90cm以上)は、男性2655名(50.4%)、女性77名(6.8%)であった。なお、75パーセンタイル値は男性で89cm、女性で80cmと、世界保健機構西太平洋事務局(WPRO)基準によるアジア人の腹部肥満の基準値である男性90cm、女性80cmにほぼ一致した。
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Circulation Journal 70・3
ページ: 262-267
Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology (in press)
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