本年度は、研究計画通り、当研究における初年度にあたり研究の立ち上げとして、A県Y市において5年前の2000年4月2日〜2001年4月1日に満65歳として調査に参加頂いた方(男女計512名)に5年目追跡調査及び5年後調査としての参加勧誘を実施した。 追跡状況としては5年間に35名の死亡及び転出を把握した。また残りの477名のうち220名について5年前と同じ項目による頸動脈超音波検査、日常生活体力測定、食生活習慣問診、及び新たに脳高次機能検査としてWSCT、かな拾いテスト及び凍結検体による血清CRP測定を完了した。 基本的ADLに関しては、65歳から70歳へのわずか5歳の加齢にも関わらず、特に自発的なADLが2倍以上の低化を示し、公衆衛生上の対策の必用性が示唆される結果が得られた。 また、頸動脈超音波検査を用いた動脈硬化とADLとの関連について、特に生活体力との関連において、動脈硬化の進行に伴い脳卒中及び心筋梗塞発症を示さなくとも生活体力の低化が認められた。 次年度以降は予定通り、本対象者及び追加対象者に脳CTの画像解析を実施し、健常住民における無症候性脳梗塞及び脳萎縮とのこれらの項目及び下位項目との関連について検討を行う。 尚、本年度の研究経費のうち、検査委託費としてその他に計上していた費用が、自研究室での処理への変更に伴い物品費による計上となったため、年度当初の配分割合と異なる結果となった。
|