本年度は、中間年にあたり、研究計画通り、A県Y市において5年前の2000年4月2日〜2002年4.月1日に満65歳として調査に参加頂いた方(男女計591名)に5年目追跡調査及び5年後調査としての参加勧誘を実施した。 その結果、5年前と同じ項目による頸動脈超音波検査、日常生活体力測定、食生活習慣問診、及び新たに脳高次機能検査としてWSCT、かな拾いテストについて、本研究の初年度及び本年度の合計で、302名の者の5年後の繰り返し調査を完了し得た。 基本的ADLに関しては、65歳から70歳へのわずか5歳の加齢にも関わらず、特に自発的なADLが2倍以上の低化を示し、また、日常生活習慣体力については、動脈硬化の進行に伴い脳卒中及び心筋梗塞発症を示さなくとも生活体力の低化が認められ、特に、起居動作、長座体前屈、10m歩行などの動作に関するスコアの著明な低化を認めた。 さらに、高次機能検査としてのWSCTについては、65歳及び70歳それぞれの断面的データながら、5歳の違いにより系統的ミスから非系統的ミスへとミスの質的な変化が認められた。 最終年度である次年度はこれらの資料の完成した70歳の方について、脳CTスキャンを実施し、機能的及び器質的な点から、動脈硬化と高次機能との関連について検討を行う予定である。 尚、研究遂行、特に高次機能検査実施にあたり、調査実施者相互間の外的妥当性を向上させるための訓練増加に伴って、当初予定していた謝金を超えることとなった。
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