研究概要 |
本研究では発育曲線の国際比較を行い、国ごとの乳幼児の発育の違いを比較することを目的とし、BMIの国際比較を行った。その方法は、各個人について身長と体重からBMIを算出しLMS法を当てはめグラフ化を行うというものである。本研究の対象国は日本とベトナムであり、日本のデータについては文部科学省が毎年調査を実施している「学校保健統計」から、5歳から17歳の男女約670,000名のデータを入手した。一方、ベトナムに関しては年齢別身長・体重データが存在しないため、現在、ハノイにある国立栄養研究所の協力を得て、新たに調査を実施し、データベースを作成中である。本分析に適したサンプル数は1セル300以上ということであるが、日本のデータに関してはデータ数が大きすぎるのでランダムサンプリングを行い男女約30,000ケースの小データベースを作成し、それを解析した。そして、先行研究(Cole TJ他)の6カ国(ブラジル、イギリス、香港、オランダ、シンガポール、合衆国)データによる結果を参照した。同先行研究では18歳児の25kg/m2および30kg/m2をcut-off値として検討を行っていたが、本研究(日本データ)は17歳児までのデータしか含まれていないので17歳児における先行研究結果と比較した。先行研究における17歳男児の24.46kg/m2および女児の24.70kg/m2は、本研究(日本)の男児83.05パーセンタイルおよび女児86.32パーセンタイルに相当していた。また、同年齢における男児29.41kg/m2および女児29.69kg/m2は、男児96.73パーセンタイルおよび女児97.82パーセンタイルに相当していた。各パーセンタイル値の年齢変化を先行研究と比較すると、日本の男児は6歳から17歳にかけて全体として極度の肥満児は少ないことが分かった。
|