研究概要 |
本研究では発育曲線の国際比較を行い、国ごとの乳幼児の発育の違いを比較することを目的とし、BMIの国際比較を行った。その方法は、各個人について身長と体重からBMIを算出しLMS法を当てはめグラフ化を行うというものである。本研究の対象国は日本とベトナムであり、日本のデータについては文部科学省が毎年調査を実施している「学校保健統計」から、5歳から17歳の男女約670,000名のデータを入手した。一方、ベトナムに関しては年齢別身長・体重データが存在しないため、ハノイにある国立栄養研究所の協力を得て、新たに調査を実施し、11,248名のデータを収集した。そして、先行研究(COle TJ他)の6力国(ブラジル、イギリス、香港、オランダ、シンガポール、合衆国)データによる結果を参照した。同先行研究では18歳児の25kg/in2および30kg/in2をcut-off値として検討を行っていた。ベトナムの18歳児において25kg/m2は、男児98.9パーセンタイルおよび女児99.3パーセンタイルに相当していた。また、30kg/m2は、男児99.9パーセンタイルおよび女児100パーセンタイルに相当していた。それぞれのパーセンタイル値を合衆国および日本(昨年度の結果)と比較するために、各国の値をみると、25kg/m2について男児は81.9と83.1、女児は83.5と86.3、30kg/m2について男児は96.7と96.7、女児は96.0と97.8となっている。ベトナムの25kg/m2のパーセンタイル値は合衆国や日本のものよりも非常に高い、すなわち、非常に肥満者の割合が低いことが分かった。18歳時点での25kg/in2および30kg/m2に対応するパーセンタイルという肥満判定はベトナムについては不適切であると推測され、適切な年齢とBMIを算出する必要がある。
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