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2005 年度 実績報告書

膵癌細胞と膵星細胞の細胞間相互作用におけるWISP-1遺伝子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 17790455
研究機関九州大学

研究代表者

河邉 顕  九州大学, 大学病院, 医員 (10398068)

キーワード膵癌 / 膵星細胞 / 細胞間相互作用 / WISP-1
研究概要

本研究では膵の線維化に中心的役割をしている膵星細胞(PSC)に注目し、PSCと膵癌細胞の細胞間相互作用についてCCN遺伝子群の一つであるWISP-1に焦点をあて、その機能解析を行った。
1)ラット膵星細胞(PSC)の単離、培養
雄性Lewisラットから膵臓を取り出し、コラゲナーゼ処理にて細胞浮遊液を調整し、Optiprepを用いて密度勾配遠心法を行い、PSCの単離、培養を行った。上記方法は他の細胞の混入もなく、高い生存率をもってPSCの単離、培養が可能であった。
2)膵星細胞とラット膵癌細胞株におけるCCN遺伝子群の発現解析
培養3継代目の活性型ラットPSCとLewisラット膵癌細胞株DSL6A/C1よりそれぞれmRNAを抽出し、CCN遺伝子群のCTGF、Cyr61、WISP-1、WISP-2の発現をRT-PCR法にて解析した。その結果、CTGF、Cyr61、WISP-2はPSCとDSL6A/C1の双方で発現を認めたものの、WISP-1の発現はPSCでは認めたが、DSL6A/C1では発現を認めなかった。PSC、DSL6A/C1におけるWISP-1の発現はWestern blottingにても確認した。
3)WISP-1遺伝子強制発現膵癌細胞株の樹立
単離培養した活性型PSCよりmRNAを調整し、RT-PCR法を用いてラットWISP-1遺伝子をクローニングした。さらにpcDNA3 vectorにサブクローニングしてWISP-1発現ベクターを作成した。クローニングしたWISP-1 cDNAはシークエンスにて塩基配列を確認した。この発現ベクターをリポフェクション法にてDSL6A/C1細胞に遺伝子導入し、ネオマイシンを用いて薬剤選択を行った。薬剤耐性株をさらに限界希釈法にて単一クローンのWISP-1遺伝子強制発現株を単離した。コントロールとしてpcDNA3 vectorのみを導入したDSL6A/C1株を単離した。
4)WISP-1遺伝子強制発現により膵癌細胞株の形態変化
コントロール株は密な細胞接着により島状に増殖するのに対して、WISP-1強制発現株は細胞接着は粗であり、島状増殖の形態を示すことはなかった。WISP-1が細胞接着、細胞運動に関わっている可能性が示唆された。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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