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2006 年度 実績報告書

プロテオーム解析および遺伝子導入による薬剤耐性消化器癌の耐性回避に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17790462
研究機関大阪市立大学

研究代表者

佐々木 英二  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80382042)

キーワード胃癌 / 5FU / CDHP / 細胞周期 / NUGC3
研究概要

ヒト胃癌細胞株における5-FUの増殖能への影響
ヒト由来胃癌細胞株の親株(5-FU感受性株:NUGC3)および5-FU耐性株(NUGC3/5FU/L)を用い、5FU添加による増殖能への影響をMTT法により検討したところ、以下の結果を得た。1)感受性株、耐性株のIC_<50>(50%細胞増殖抑制濃度)は各々6および320μMであり、耐性株は約50倍の耐性を獲得していた。2)両細胞株にIC_<15>(感受性株、耐性株おのおの2および50μM)に相当する5-FUおよび5-FUの分解酵素であるDPDの強力な分解阻害剤であるCDHPを投与したところ、COHP単独投与では細胞増殖に影響を及ぼさなかったが、5-FUおよびCDHPの同時投与においては、感受性株では5-FU単独投与群と細胞増殖抑制に差はみられず、耐性株においては5-FU単独投与群にくらべ細胞増殖抑制効果の増強を認めた。その効果は、5-FU単独投与時のものに換算するとIC_<30>(100μM)に相当することが判明した。
5-FU感受性株におけるCDHP併用添加による殺細胞増強効果の機序
上記で認めた殺細胞効果の増強機序として、5-FU代謝にまつわる酵素への影響として解析を試みた。その結果、DPD蛋白質発現量においては、感受性株に強く、逆に耐性株においては、DPD蛋白質発現はほとんど認められなかった。一方細胞増殖に強い影響を与えるthymidilate synthase(TS)の遺伝子発現において、併用添加群に抑制的な作用が認められることが判明した。これらの結果より、培養細胞系における併用投与での相加的作用は、5-FU分解酵素の抑制機序ではなく、増殖促進作用のあるTS抑制機序であることが示唆された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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