研究概要 |
1、Balb/cマウスの腸管(小腸・大腸)における、ケモカイン(LARC, SDF1α)の局在をRT-PCRで解析をした。また、各々の対応するケモカインレセプター(CCR6,CXCR4)の発現をFACSで解析した。 2、同系マウスにTNFαを腹くう内投与し炎症を惹起したところ、ケモカイン(LARC, SDF1α)の発現量をRT-PCR法で比較し、発現の亢進を認めた。 3、マウスより分離したリンパ球(SPL:脾臓リンパ球、LPL:腸粘膜固有層リンパ球)を蛍光色素でラベルして経静脈的に投与し、腸粘膜へのmigrationの様子を蛍光顕微鏡下に生体観察した。さらにTNFαを腹腔内に投与すると、migrationが亢進することが観察された 4、ケモカイン受容体(CCR6,CXCR4)の中和抗体を予め経静脈より投与することによりブロックし、リンパ球migrationを比較したところ、migrationの減少が観察された。 5、リンパ球を大量のケモカイン(LARC, SDF1α)によってdesensitizationしてから経静脈投与すると、リンパ球migrationの減少が観察された。 6、CCR6とCXCR4両方のケモカイン受容体の中和抗体を予め経静脈より投与すると、単独の抗体投与時よりも、リンパ球migrationの減少が観察された。 7、さらにTNFα投与マウスにおいても、同様の検討を行い、コントロールにおいてよりも、より一層のmigrationの抑制が観察された。
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