研究課題
前年度に引き続き、当施設に導入されているGE社製の1.5TMRI装置を使用して、Whole-heart imagingによる冠動脈MRA撮像を試み撮像法および解析法について検討した。計59例の被験者を対象に撮像を行った。撮像は、ほぼすべての例で可能であったが、1例で不整脈が原因で中止し、2例で呼吸同期が原因で中止した。冠動脈MRAの解析については、前年度の検討からCurved-MPR法を中心に市販のDICOM viewerからワークステーション上の商業用ソフトウェアまでさまざまなソフトを使用して再構成を行い、冠動脈の描出に最も適した方法を検討した。現時点では、Curved-MPR法を使用するのが最も診断には適しているが、臨床に使用するには時間がかかることと、画質がよくないため、診断できない症例が少なからず存在することや、診断できても診断可能な冠動脈の範囲が狭いこと、などが問題点としてあげられる。基本である、原画質の改善が必要であると考えられた。今年度はさらに、冠動脈MRA以外に、虚血性心疾患を有する患者へのWhole-heart imagingの臨床応用として、心臓全体を撮像できるメリットを生かし、左室の三次元的位置構造の検討を行った。すなわち、虚血性僧帽弁閉鎖不全症を有する例における僧帽弁輪および乳頭筋、左室の三次元的位置関係を検討した。Whole-heart imagingから僧帽弁組織、乳頭筋、左室の三次元上の位置を解析し、MATLAB上で位置を再構築し、位置関係を検討した結果、虚血性僧帽弁閉鎖不全症を合併した例では、乳頭筋の位置が従来の報告とは異なり、内側方向ではなくて、後方中心に偏位していることが明らかにした。(Circulation,114(18),2006;II-356)
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