研究概要 |
1.ラットpuromycin aminonucleoside(PAN)腎症モデルを用いたスリット膜構成分子の解析 ヒト微小変化群の動物モデルであるPAN腎症の単離糸球体・腎組織切片を用いて免疫組織染色、ウエスタンブロット、リアルタイムRT-PCRにより各種スリット膜構成分子の蛋白およびmRNA発現を調べており、現在のところスリット膜構成分子の一つであるpodocin蛋白が減少し、その局在が変化することが判明した。 2.PAN腎症糸球体におけるスリット膜構成分子の分解機構の解析 最近、PAN腎症モデルにてスリット膜構成分子の一つであるpodocinが、その蛋白レベルは減少するが、mRNA発現は不変であることが報告されている(Kawachi H, J Am Soc Nephrol 13:46-56, 2003)。そこでpodocinに関して、PAN腎症の単離糸球体において、パルスチェイス実験によるpodocin分解の亢進を解析する。さらに、同モデルを用いて、抗podocin抗体免疫沈降+抗ユビキチン抗体ウエスタンブロットによりpodocinのユビキチン化を解析し、PAN腎症糸球体におけるpodocinユビキチン化活性亢進の有無を調べる。また一方で、リコンビナントpodocin蛋白を用いて、経時的に採取したPAN腎症糸球体の蛋白抽出液がユビキチン、ATP存在下でpodocin蛋白をユビキチン化する活性についてコントロールラット腎の蛋白抽出液との比較を加in vitroの系を用いて、今後検討していく予定である。
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