1.C57/BL6JマウスからSmad-ubiquitin-regulatory-factor(Smurf)2のプロモーター領域を含むgenomic DNAを取り出し、reporter plasmidを作成。 2.1をHepG2 cellに遺伝子導入し、transforming growth factor-β(TGF-β)等の増殖因子・サイトカインを添加し転写活性を検討した際、TGF-βのみで亢進を認めた。 同現象を、TGF-β投与後の内因性Smurf2 mRNA・蛋白レベルでも確認。 3.Activin receptor-like kinase-5 inhibitorを添加、抑制型Smad(Smad7)を共発現した際、TGF-βの転写活性亢進を有意に抑制し、TGF-β receptorを介することを確認。 4.活性型Smad(Smad2/3)のdominant negative(DN)体を遺伝子導入、Smurf2プロモーター内のSmad binding element(SBE)に変異を組み込んだmutant Smurf2 reporter plasmidを作成し遺伝子導入した際、TGF-βの転写活性を抑制しなかった。更にgel shift assayで、Smurf2プロモーター内のSBEのSmad3との結合を認めず、Smad経路の関与は否定的。 5.Phosphatidyl-inositol-3-kinase(PI3 kinase)inhibitorを添加、PI3 kinaseの下流のAktのDN体を遺伝子導入した際、TGF-βの転写活性亢進を有意に抑制。HeLa cellでも同様な結果を得、PI3 kinase-Akt経路の関与を示唆。 以上より、Smurf2はTGF-βのTGF-β receptorを介して伝達され、下流はSmad経路ではなく、PI3 kinase-Akt経路による非Smad経路の関与が示唆された。
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