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2005 年度 実績報告書

Nephronophthisisモデルとしてのinvマウス嚢胞腎進展の遺伝子解析

研究課題

研究課題/領域番号 17790558
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

杉山 紀之  京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (90381954)

キーワード嚢胞腎 / inv / マイクロアレイ / Nephronophthisis
研究概要

【目的】多発性嚢胞腎は尿細管の一部が拡張し嚢胞化するheterogeneousな遺伝性疾患である。この事は尿細管構造が遺伝的に制御されていることを示しており、これらの遺伝子機能を解明する事により尿細管構造の維持機構が解明される。
【方法】invマウスは内臓逆位と嚢胞腎を合併するマウスとして、我々が発見しその原因遺伝子をクローニングしたものだが、ヒト2型家族性若年性腎癆のモデルである事が明らかとなった。今回我々はinvマウスにC末端欠損のinv遺伝子を導入したinv/inv, inv deltaC::GFP(以下deltaC)マウスを用い、嚢胞の解析及びMicroarrayとRT-PCR法により嚢胞腎形成の関連遺伝子の探索を行なった。
【結果と考察】deltaCでは内臓正位になるものの嚢胞腎は発症し、導入遺伝子ホモ個体ではヘテロに比べて嚢胞腎発症の遅延が観察された。これらの嚢胞腎では近・遠位尿細管と集合管での嚢胞が確認され、さらに細胞増殖と細胞死の増加が観察された。嚢胞腎で増加した転写因子及びsignal伝達因子の発現検索では、正常では成長に伴い発現が低下するが嚢胞では高い発現が維持していた遺伝子群、嚢胞腎の進行と共に発現量が増加した遺伝子群が観察された。以上から嚢胞形成にはこれら遺伝子の発現促進及び発現抑制の回避が生じ、その結果尿細管の細胞増殖と細胞死が起きていると考えられた。これらの遺伝子のうちcrapとirak3はΔCおよびinvマウスで共通して増加が確認された。以上の事から嚢胞形成にはこれら遺伝子の発現活性化および発現抑制の回避により起こる事、さらにcrapとirak3が嚢胞形成初期に機能している事が示唆された。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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