研究概要 |
腎炎においてT細胞の役割に関する論文ではnu/nuマウス(T,B細胞伴に働きの認めないマウス)では腎炎は起こらず、IgMノックアウトマウス(T細胞の働きは残り、B細胞の働きを失ったマウス)では腎炎が起こる事が証明され、腎炎発症には強くT細胞が関与している事が示唆される。 Step 1ではC57BL/6マウス(T,B細胞伴に働きを持っている)にNephrotoxic serum(NTS,Anti-mouse GBM抗体)を投与し、proteinuria(alubuminuria:alb)を認めないsubnephritogenic doseを決定した。 Step 2として腎炎におけるEffectorT細胞の役割を調べるためC57BL/6マウスを用いてComplete Freund adjuvan t(CFA)とヒツジIgGを等量混合し,マウス腹部に皮下注射をしimmunizeさせた。7日後にStep 1で決めた量のNTSを投与し、Adoptive transfer of anti-GBM nephritisを作成。腎炎の発生を見る上でproteinuria,尿クレアチニンの比Ualb/Ucrで検討し(NTSを投与した日より10日間)、その後血液、腎組織検査を行った。Step 3ではMemoryT細胞の役割を調べるため8週間immunizeさせた後、Step 1で決めたNTS量を投与したマウスを作成。Step 2でのマウスと比較すると早期より腎炎が発症し、尿蛋白上昇も著名に増加する事がわかった。しかし腎炎の発症をみる上でproteinuriaの推移は3日目をピークとして約1週間で消失し、マウスの腎組織では腎炎像はほぼ認められなかった。繰り返し施行するも十分なanti-GBM nephritisと言う事ができず、今後subnephritogenic dose再考するなど一部変更して施行する予定である。
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