環境因子と遺伝因子により発症する多因子神経疾患に関して、疾患感受性遺伝子を見出すことが原因の究明と治療法の開発に役立つと言われている。神経多因子疾患の中でも、多系統萎縮症、片頭痛を対象に、検体の収集とデータベース構築を行った。 多系統萎縮症は検体収集時には臨床情報も収集しており、さらに可能な限りフォローアップの評価も行い、疾患の自然歴を明らかにすることも目標にしている。家族歴を有する多系統萎縮症は、今年度にもさらに新しい家系が複数見つかっており、調査が進められていく予定である。 片頭痛に関しても検体と臨床情報を収集する多施設共同研究のシステムを構築し、現在検体の収集が進められている。 今年度で研究代表者の任期は終了となったが、上記2つの共同研究はさらに継続される予定である。 検体採取に際しては「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」を遵守し、文書化した十分なインフォームドコンセントの元に採血を行う。また患者個人情報の扱いに関しては細心の注意を払っている。
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