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2005 年度 実績報告書

脂肪肝に伴う代謝異常におけるアディポネクチンおよびTNF-αの検討

研究課題

研究課題/領域番号 17790619
研究機関久留米大学

研究代表者

中山 ひとみ  久留米大学, 医学部, 助手 (20368955)

キーワード非アルコール性脂肪性肝炎 / 脂肪肝 / SREBP-1c / インスリン抵抗性 / アディポネクチン / TNF-α
研究概要

全身性脂肪萎縮症の疾患モデルマウスとされているnSREBP-1cトランスジェニックマウスを研究に用いた。このトランスジェニックマウスは,既に報告されているとおり耐糖能異常とインスリン抵抗性を有し,低レプチン,低アディポネクチン血症を示した。顕著な脂肪肝を呈することはよく知られているが,30週齢まで肝の組織像を観察したところ,14匹中13匹が線維化,12匹が炎症細胞浸潤を有し,Mallory's hyalineも12匹で観察されるなど,ヒトの非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)にきわめて類似した肝病変を発症することが明らかになった。したがって,このマウスはNASHの疾患モデル動物として用いることができると考えられる。そこで,すでに私どもが作成していたヒト・アディポネクチン・トランスジェニックマウスと交配することにより,肝においてアディポネクチンを発現するnSREBP-1cトランスジェニックマウスを確立した。このダブルトランスジェニックマウスは,nSREBP-1cトランスジェニックマウスに比べ耐糖能およびインスリン抵抗性が改善していた。脂肪肝の発症は抑制されなかったが,肝内の炎症細胞浸潤および線維化は著明に抑制された。以上の結果から,アディポネクチンがインスリン抵抗性を改善し,脂肪肝からNASHへの進行を抑制することが示された。今後,このアディポネクチンの作用機序を,TNF-αとの関連を中心に検討する予定である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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