目的はストレス関連ペプチドのGH分泌に与える影響を明らかにすることである。まず消化管より分泌され摂食抑制ペプチドであるpeptide YY(PYY)のGH分泌に与える影響を検討した。無麻酔無拘束下でPYYをラットに経静脈的に投与したがGH分泌に影響を与えず、脳室内投与ではGH分泌を抑制した。また72時間絶食後のラットにPYYを経静脈的に投与したところ、絶食により抑制されていたGH分泌が、回復することを報告した(第78回日本内分泌学会)。またPYYによるGH分泌促進作用に用量依存性があること(第32回日本神経内分泌学会)、迷走神経切除ラットではこの効果が発現しないことを明らかにした(第79回日本内分泌学会発表予定)。またストレス関連物質であるNeuropeptide W(NPW)は、脳室内投与によりGHの分泌を抑制すること、この作用は抗ソマトスタチン血清を投与したラットでも発現すること、またNPWの脳室内投与で視床下部GHRH遺伝子発現が抑制されることをin situ hybridizationで明らかにした。このことからNPWがGHRH細胞を介してGH分泌を抑制することを報告した(第32回日本神経内分泌学会、投稿準備中)。また、IGF-Iが下垂体グレリン受容体の遺伝子発現を抑制すること(Regul Pept)、雌ラット視床下部ではエストロゲン受容体(ER)αがGHRH細胞に発現し、ERβは発現していないことを明らかにした(Neurosci Res)。
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