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2007 年度 実績報告書

TCRと抗原ペプチド/MHC分子の親和性を指標としたTAAsの同定

研究課題

研究課題/領域番号 17790641
研究機関金沢大学

研究代表者

近藤 恭夫  金沢大学, 医学部附属病院, 助教 (10322116)

キーワード白血病細胞由来樹状細胞 / 微小残存病変 / 同種造血幹細胞移植 / 抗原ペプチド / MHC分子親和性 / 腫瘍関連抗原 / 自己抗原 / 細胞傷害性T細胞 / CDK2
研究概要

腫瘍細胞が過剰発現し,末梢寛容の誘導が不完全な自己抗原の中から新たな腫瘍抗原(TAAs)を同定し,同種造血幹細胞移植(allo-SCT)ドナーとレシピエントのTAAsに対する寛容の差を考慮したワクチン療法の開発を進めている.細胞周期調節タンパクであるCDK2タンパクは白血病細胞で過剰発現しており,HLA-A^*2402陽性健常者のCD8陽性ナイーヴT細胞からCDK2由来のHLA-A^*2402拘束性9mer自己抗原ペプチド(CDK2_158, CDK2_178)特異的細胞傷害性T細胞(CTL)が誘導される.HLA一致allo-SCTドナーから誘導したCDK2由来ペプチド特異的CTL(CDK2-CTL)は,ドナー及び患者の正常血液細胞と患者白血病細胞のCDK2タンパクの発現量の差を認識して,患者白血病細胞のみを特異的に傷害する.昨年度に引き続き,18例のHLA-A^*2402陽性移植例を対象として,allo-SCT後のCDK2に対する免疫の誘導と抗白血病効果との関連性を,CDK2ペプチド/HLA-A24マルチマーを用いて検討した.移植後CDK2-CTLが検出された7例は全例寛解を維持しており,移植時に血液学的寛解で分子学的微小残存病変(MRD)が検出されていた(腫瘍量が少ない)例では,移植時分子学的寛解(腫瘍量が全くない)例や血液学的再発(腫瘍量が多い)例に比べて移植後のCDK2-CTL誘導率が有意に高いことが確認された(p=0.02).骨髄性白血病患者の診断時末梢血から純化し,TNFαの存在下で短期間培養後に成熟させた白血病細胞由来樹状細胞(LDC)を抗原提示細胞として,HLA-A^*2402陽性健常者のCD8性ナイーヴT細胞を繰り返し刺激して誘導した培養T細胞は,寛解時患者末梢血単核細胞には反応せず,患者白血病細胞との共培養でIFNγを産生した(0.34%vs10.5%).この白血病細胞反応T細胞の中には,LDC刺激前には検出されなかったCDK2ペプチド/HLA-A24マルチマー陽性細胞が検出され,白血病細胞反応T細胞はCDK2ペプチドに反応してIFNγを産生した.allo-SCT後にCDK2-CTLが誘導されるメカニズムとして,移植時にわずかに残存するLDCがドナー由来のT細胞をプライミングし移植後CDK2に機能的結合性の高いCTLが誘導され,残存する白血病を特異的に傷害することが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Circulating Leukemic Myeloid Dendritic Cells from Patient with Leukemia Elicit CDK2-Specific CTLs from Allogeneic HLA-A24+ Naive CD8+ T Cells2007

    • 著者名/発表者名
      Yukio Kondo, Kinya Ohata, Shinji Nakao
    • 雑誌名

      BLOOD 110

      ページ: 948

    • 査読あり
  • [学会発表] 白血病細胞由来樹状細胞は健常者のT細胞を刺激してCDK2ペプチド特異的CTLを誘導する2008

    • 著者名/発表者名
      近藤 恭夫
    • 学会等名
      第30回 日本造血細胞移植学会総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2008-03-01

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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