研究課題
全身性エリテマトーデス(SLE)モデルマウスの一つである、BXSBマウスは、755(Y-linked autoimmune acceleration)遺伝子がその発症機序に重要であることが知られている。Yaa遺伝子を導入したC57BL/6マウスにおいて認める、脾臓のマージナルゾーン(MZ)B細胞の減少に補体(C3)がどの様に関与しているかを調べる目的でC3ノックアウトマウスに指∂遺伝子を導入したマウスを作製し、Yaaマウス、C57BL/6マウスと比較した。MZB細胞の解析の結果、C3-/-YaaマウスはややMZ B細胞の比率を上げる作用を及ぼしたものの、C57BL/6 YaaマウスのMZ B細胞の比率と有意な差は認めなかった。このことはYaaマウスにおける抗原抗体反応に伴うMZ B細胞の形成には、補体の役割はわずかであり補体以外の役割が大きいと考えられた。LPSやCpGをC57BL/6マウスとC57BL/6fa5マウスに投与した際の肺臓の濾胞(FO)B細胞及び、MZ B細胞の反応を調べることで様々な刺激による反応性の違いをYaaマウスとC57BL/6マウスで比較した。1回のCpGの投与によりC57BL/6YaaマウスにおいてMZ B細胞は減少する傾向がみられたが、1回のLPS投与ではC57BL/6マウス、C57BL/6Yaaマウス共にMZB細胞に特に影響を与えなかった。繰り返し投与することでそれぞれの反応性の違いがみられることが考えられ、研究を継続している。今回、LPS刺激に関わるRP105欠損マウス、ハプテンであるNPに反応性を有するQMマウスにYaaを導入することで、より詳細に特定の抗原に対するMZ B細胞の役割とYaa遺伝子との関係を調べることが可能となるため実験を継続中である。
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