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2006 年度 実績報告書

C型肝炎ウイルスの母子感染成立に寄与する因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 17790689
研究機関群馬大学

研究代表者

田村 一志  群馬大学, 大学院医学系研究科, 助手 (70396646)

キーワードC型肝炎ウイルス / 母子感染 / 感染実験 / 組み換えウイルス / 感染増強効果 / 危険因子 / 予後因子
研究概要

1.研究目的
C型肝炎ウイルス(HCV)陽性母体から出生した児の血清を、われわれが樹立したHCV組み換えウイルス感染実験系に作用させて、その反応性を検討する。.感染性への影響がみられた血清の臨床プロファイルを解析し、母子感染成立に関与する因子の解明とともに、予後因子の検討を行い、HCV陽性母体から出生した児の長期管理指針作成の科学的根拠としたい。
2.研究実施経過
(1)HCV母子感染症例の血清
HCV陽性母より出生した児の血清を自施設および他施設より提供して頂いた。
(2)HCV感染実験
HCV陽性母体より出生した31症例の血清に関いて、HCV組み換えウイルス感染実験系での反応性を検討した。11症例の検体では感染増強効果が認められた。特に、母子感染症例では4/5(80%)の症例において、感染増強効果がみられた。これは、母子感染が成立しなかった症例群と比較し、統計学的に有意に高率であった(p<0.05)。
(3)感染増強に関与する因子の探索
Mannan-binding lectinは自然免疫において重要な役割を果たしている。特に病原微生物の糖タンパクと結合することで抗病原活性を有することから、高度に糖修飾されている外被タンパクをもつHCVに関しても感染防御に関与する可能性が考えられる。今回の感染実験に用いた血清中のmannan-binding lectin濃度について検討したところ、有意差は認められなかったが感染増強効果がみられた群のサンプルにおいて低値を示す傾向がみられた。
以上の結果よりHCVの母子感染成立に関して、HCV感染を助長する何らかの血清因子が関与している可能性が示唆された。,Mannan-binding lectinなどの糖タンパクについて、さらに検討を進めいていき、HCV母子感染メカニズムの解明につなげていく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Tandem repeats if lactoferrin-derived anti-hepatitis C virus peptide enhance antiviral activity in cultured human hepatocytes2007

    • 著者名/発表者名
      Abe K, Nozaki A, Tamura K, et al.
    • 雑誌名

      Microbiology and Immunology 51(1)

      ページ: 117-125

  • [雑誌論文] HCV組み換えウイルス感染系を用いたHCV母子感染症例の感染機構の検討2006

    • 著者名/発表者名
      田村 一志
    • 雑誌名

      日本小児科学会雑誌 110巻・2号

      ページ: 166

  • [雑誌論文] HCV組み換えウイルス感染系を用いたHCV母子感染症例の感染機構の検討2006

    • 著者名/発表者名
      田村 一志
    • 雑誌名

      日本小児栄養消化器肝臓学会雑誌 20巻

      ページ: 56

  • [雑誌論文] VSV/HCV pseudotype virus感染系をもちいたHCV母子感染症例・小児HCV感染症例の感染機構の検討2006

    • 著者名/発表者名
      田村 一志
    • 雑誌名

      日本ウイルス学会 第54回学術集会プログラム・抄録集

      ページ: 254

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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