全身性強皮症患者113例(dSSc ; diffuse cutaneous systemic sclerosis48例、ISSc ; limited cutaneous systemic sclerosis65例)、皮膚筋炎患者18例、全身性エリテマトーデス患者18例、健常人21例で、血中のレプチン値をELISA法にて測定した。全身性強皮症患者のうち、皮膚硬化が前腕までの皮膚にとどまるISSc患者では健常人と比較して血中レプチン値は有意に高値を示した。また、全身性エリテマトーデス患者や、皮膚筋炎患者でも健常人と比較して有意に高値を示した。一方、皮膚硬化が前腕を越えて近位にまで認められるdSSc患者では、血中レプチン値は健常人と有意差を認めなかった。血中レプチン値と、皮膚硬化の程度の指標となるTSS ; total skin thickness scoreとは、負の相関がみられ、皮膚硬化が高度であるほど血中レプチン値は低い傾向を示した。また、血中レプチン値と%Dlco値の間には正の相関が認められ、肺病変が高度であるほど血中レプチン値は高値を示した。さらに、全身皮膚に色素沈着を認める患者群では、認めない群と比較して血中レプチン値は低値を示した。レプチンは脂肪細胞から産生されるが、全身性強皮症患者の体脂肪率は、健常人や皮膚筋炎患者、全身性エリテマトーデス患者に比較して低値であった。血中レプチン値を体脂肪量で除したものを比較したところdSSc患者では、ISSc患者、皮膚筋炎患者と比較して有意に低値を示した。
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