研究概要 |
1.ヒト末梢血単球でのNotch発現の検討 健常人ボランティアから回収した新鮮なヒト末梢血単球とconcanavalin A刺激単核球培養上清で刺激した単球において、抗Notch1抗体を用いて免疫蛍光染色し、その発現量をFACSにて検討したところ、非刺激単球と比較してconcanavalin A刺激単核球培養上清で刺激した単球でNotch1の発現の有意な低下が認められた。 2.Notch ligandであるDelta、Jaggedが多核巨細胞形成率に与える影響 ヒト末梢血単球をNotch ligand(Delta 1,2およびJagged 1)で固相化したプレート上でConcanavalin A刺激単核球培養上清にて培養し、MGC形成率を経時的に検討したところ、Notch ligand非固相化プレート群と比較して、Notch ligand固相化プレート群ではMGCの経時的形成率は培養7日目まで有意に抑制されており,その抑制率は用量依存性であった。また、MGC形成に関与する接着分子(CD11a、CD54)の発現についてもFACSにて解析したところ、Notch ligandで固相化したプレート上で培養された単球では両接着分子とも抑制されていた。 以上のことからNotchシグナルはヒト単球からの多核巨細胞形成を抑制し、concanavalin A刺激単核球培養上清はこのNotchシグナルを抑制することにより、このヒト単球からの多核巨細胞形成を誘導している可能性があると考えられた。
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