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2006 年度 実績報告書

うつ病におけるオーダーメイド医療のための心理学的及び薬理遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17790804
研究機関筑波大学

研究代表者

川西 洋一  筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (80375493)

キーワードうつ病 / オーダーメイド医療 / 心理学 / 薬剤応答性 / Temperament and Character Inventory / 境界性人格障害 / 遺伝子多型
研究概要

うつ病におけるオーダーメイド医療を促進するエビデンスを得るため、同意の得られたうつ病患者から臨床データと血液を収集し、昨年度に引き続き、サンプル数を増やして以下の心理学的及び遺伝学的研究を行った。
1、大うつ病性障害において・いわゆる内因性うつ病と考えられるメランコリーの特徴を伴う群、Borderline Perscmality Disorde (BPD)併存群、それら以外の群の3群間において、Temperament and Character Inventoryの各下位因子平均点を比較した。自己志向の得点は、BPD併存群、それら以外の群、メランコリーの特徴を伴う群の順に低く、有意差が認められた(P=0.001)。協調と新奇性追求の得点においては有意傾向がみられた。
2、メランコリーの特徴を伴う患者やBPDを併存する患者は、遺伝学的背景がことなることも推察されることから、病態との関連が推測される遺伝子の多型との関連を検討した。メランコリーの特徴を伴う群は5HT2A受容体遺伝子102T/C多型のC/C型が有意に多くみられた。BPD併存群にはCOMT遺伝子Va1158Met多型においてはVal/Val型が有意に多く、5HTTLPR遺伝子多型及びG protein β subunit遺伝子825C/T多型との関連においては有意傾向がみられた。
3、薬理遺伝学的検討のためには、抗うつ薬の中で現在もっとも主流であるparoxetineの効果と副作用に関連した遺伝子多型を見出すために、順次、血中濃度測定および遺伝子解析を行っている。Paroxetineの血中濃度と抗うっ効果は必ずしも相関しておらず、paroxetineの作用部位での多型の違いが抗うつ効果に影響を与えている可能性がある。今後、薬剤応答性と作用部位に関連した遺伝子多型との関連を統計学的に検討する予定である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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