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2005 年度 実績報告書

統合失調症の病因としての転移因子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 17790820
研究機関帝京大学

研究代表者

上野 美華子  帝京大学, 医学部, 特別研究員 (00398736)

キーワード統合失調症 / 転移因子 / ゲノム不安定性 / 新規挿入領域
研究概要

ゲノム不安定性に深く関与している転移因子は、挿入などによって遺伝子構造および発現に影響を及ぼし、これまでに32疾患の病因として報告されている。統合失調症においても、ゲノム不安定性および染色体脆弱性は古くから関連が議論され、近年では患者内ゲノムにおけるメチル化異常などが明らかとなり、活性化転移因子によるゲノム構造変異が推測される現象は数多く報告されている。よって、われわれは統合失調症にメチル化異常に伴うゲノム不安定性、とりわけ転移因子の動態が深く関与しているとの仮説を提唱し、本研究では統合失調症の病因としての転移因子の役割を明らかにすることを試みた。本年度は、胎生期脳において転移活性を持つ転移因子のスクリーニングを行い、さらにその患者特異的挿入領域の同定を試みた。胎生期脳内活性化転移因子の選抜では、レトロポゾン2種、DNA型トランスポゾン12種について、胎児脳由来cDNAライブラリーをテンプレートに用いたPCRスクリーニングを行った。その結果、ほぼすべての転移因子において胎生期脳での転移活性が認められた。次に、選抜された転移因子のうち、Tigger1の患者特異的新規挿入領域の同定を試みた。統合失調症トリオゲノムDNA(患者とその両親)10組を対象に、Tigger特異的プライマーを用いたDNA Walking法を行い、得られた患者特異的PCR産物の塩基配列を決定した。その結果、5組21クローンの患者特異的新規挿入領域が得られた。現在、得られた配列をもとにDNA Walking法による二次スクリーニングを行っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 領域特異的Alu多型と統合失調症との関連研究2006

    • 著者名/発表者名
      上野美華子, 赤羽晃寿, 田中裕志, 関裕子, 南光進一郎
    • 雑誌名

      精神薬療研究年報 38(印刷中)

  • [雑誌論文] 精神科領域の用語解説レトロポゾン2006

    • 著者名/発表者名
      上野美華子, 赤羽晃寿, 南光進一郎
    • 雑誌名

      分子精神遺伝学 (印刷中)

  • [雑誌論文] 精神疾患におけるエピジェネティクスとゲノム不安定性研究2005

    • 著者名/発表者名
      上野美華子, 南光進一郎
    • 雑誌名

      脳と精神の医学 16巻4号

      ページ: 257-258

  • [雑誌論文] 転移因子と精神疾患2005

    • 著者名/発表者名
      南光進一郎, 上野美華子
    • 雑誌名

      脳と精神の医学 16巻2号

      ページ: 95-101

  • [雑誌論文] 精神疾患におけるreelin関連遺伝子変異の病因的役割-機能ドメインを中心に2005

    • 著者名/発表者名
      上野美華子, 中野裕子, 赤羽晃寿, 南光進一郎
    • 雑誌名

      精神薬療研究年報 37

      ページ: 108-111

  • [図書] 最新医学・別冊新しい診断と治療のABC 32 精神2 統合失調症:遺伝2005

    • 著者名/発表者名
      赤羽晃寿, 上野美華子, 南光進一郎
    • 総ページ数
      32-38
    • 出版者
      最新医学社

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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