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2006 年度 実績報告書

PETを用いた抗うつ薬の脳内ノルエピネフリントランスポーター占有に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17790823
研究機関日本医科大学

研究代表者

一宮 哲哉  日本医科大学, 医学部, 助手 (50398864)

キーワードPET / 抗うつ薬 / 占有率 / セロトニントランスポーター / SNRI / milnacipran
研究概要

生体における薬物評価法としてPETの技術は脳内における薬物の分布や結合を鋭敏かつ効率的に評価できるという優れた点を有している。PETを用いた向精神薬の脳内動態を評価する際に、生体内で調査対象である薬剤が受容体に結合している程度をPETトレーサーの特異結合の減少から占有率として評価する方法が用いられている。抗うつ薬の受容体あるいはトランスポーターに対する占有を調査したPET研究は少ないが、これまでの研究によると臨床用量の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)で80%のセロトニントランスポーター(SERT)占有が生じており、抗うつ効果の発現に80%のSERT占有率が必要と提言されている。セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のSERT占有について調査するため、われわれはSNRIであるmilnacipranで治療されているうつ病患者4名についてセロトニントランスポーターの占有率を測定した。研究に際して、倫理委員会から承認を受けた上で、被験者に対して口頭および書面を用いた説明を行い文書による同意を得た。[11C]DASBを用いたPET検査により、milnacipranのSERT占有率は線条体では一日投与量100mgで平均42.1%、150mgで57.4%、視床では100mgで38.3%、150mgで59.7%であった。この結果から、一日投与量150mgのmilnacipranでは、SSRIの抗うつ作用に必要とされているセロトニントランスポーター占有率80%に達していないことが明らかになった。以上から、milnacipranの用量設定が低い可能性、あるいはSNRIであるmilnacipranの抗うつ作用はセロトニントランスポーター占有だけではなくノルエピネフリントランスポーターへの占有も考慮する必要性が考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 複数トレーサーによる各種抗うつ薬の作用機序に関するPET研究2007

    • 著者名/発表者名
      一宮 哲哉
    • 雑誌名

      精神薬療 第39集

      ページ: 162-165

  • [雑誌論文] Serotonin Transporter Occupancy of Serotonin and Norepinephrine Reuptake Inhibitor, Milnacipran : A PET Study with [11C]DASB2006

    • 著者名/発表者名
      T Ichimiya et al.
    • 雑誌名

      The International Journal of Neuropsychopharmacology 9, Sup 1

      ページ: S110

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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