対象患者は、DSM-IVの診断基準に基づき選出した統合失調症患者である。対象には、本研究の内容を十分に理解してもらった後、同意の得られた選出者にMRIを実施している。また、症状重症度は陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を用いて評価した。MRI装置は、1.5 TeslaのGE Signa Horizon LXを用い、前交連および後交連を結んだ線(AC-PC line)に平行な水平断面についてspin-echo type single-shot echoplanar sequence(TR 2000ms、FOV 24×24cm、マトリックス128×128、加算回数4回)の条件下で、1000s/mm^2の拡散検出傾斜磁場を印加して計9スライスの拡散強調画像を得ている。得られた拡散協調画像を光磁気ディスク(消耗品として必要となる)に保存している。現在、用手ROI法にてテンソル解析を行なっている。全対象者について1.5mm間隔のT1強調画像を3.0mm間隔のT2強調画像を撮像し、脳形態学的解析を行なった。精神神経科研究室にシリコングラフィックスFuel(今回設備備品として購入した)を設置しMRI解析ソフトBRAINSをインストールした。このBRAINSを用いてMRIデータから脳内容積を測定し、その信頼性検査を行なった。10名のMRIデータを用いて2名の検者間が脳内容積測定し、それらの一致率を調べるために級内相関係数を求めた。この結果脳内容積測定において高い級内相関係数が得られたため、第8回世界生物学的精神医学会(ウィーン)および第27回日本生物学的精神医学会(大阪)で発表した。拡散テンソル解析の解析結果については論文発表を行なった。
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