今年度は、ファイバーグレーティングデバイスの検討行い、その有効性について検討を行った。また、多方向から同時観察可能な小型ITVカメラを装備した監視システム環境を設定して、カメラ画像の取得を行った。監視システムにて得られたデータをUSB接続にてパソコンへ転送した。照射データを収集するにあたり、放射線治療装置の基本技術や放射線防護について専門家による技術指導・講習を受け、高精度放射線治療技術を十分習得した。 実際の放射線治療で用いられている、頭頚部用患者固定具の周囲にカメラを設置し、治療環境において精度を調査した。今回の実験において評価は定量的には行えないため、視覚的に評価を行った。カメラは頭の側面と、上側に配置した。それぞれの撮影距離は10cmとし、画像サイス160×120pixel、フレームレートは10fpsとした。各カメラにおいて良好な精度結果が得られた。 ファイバーグレーティングデバイスの手法により、実際の患者の体動を非接触かつリアルタイムに把握出来ることが予想された。ファイバーグレーティングデバイスの臨床的有用性が示唆された。今後、システムをさらに発展させ、将来的にどの体幹部においても精密な照射野での高精度放射線治療が可能となることが期待される。それによって、良好な治療成績が期待できるのみならず、有害事象の発生が最小限に抑えられることが期待できる。 研究結果は国内学会発表のみならず、英文誌に投稿する予定である。
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