これまでに、ボランティアの被験者によりファイバークレーディンクデバイスの効性の検討をおこなった。また試行的に3方向から同時観察可能な小型ITVカメラを装備した監視システムを試作し、ITVカメラから画像を取得し、パソコンとデータ転送を行った。解析ソフトウェアを試作して、ファントムおよびボランティアに協力を得て、実際の放射線治療に近い状態での実験を行った。頭頚部用患者固定具の周囲にカメラを設置し治療環境において精度を調査した。前年度は、ファントムを用いた基礎実験の結果をもとにして、臨床応用実験を行った。慶應義塾大学病院放射線治療核医学科にて、放射線治療を受ける患者数名を選び、ITVカメラを装備した監視システムを用いて、放射線照射実施時に体動監視を行った。ITVカメラからは30 frames/secで画像を取得し、コンピュータにデータを転送した。身体に投影したレーザ格子点の位置ずれはコンピュータで計算される。得られたデータを解析して、患者の体動を数値化した。今年度はさらにファイバークレーディンクシステムを発展させ、数値化した患者の体動データをリアルタイムに放射線治療装置にデータ転送し、患者の体動に合わせて照射の調節が可能かどうかについて臨床実験を行った。
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