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2005 年度 実績報告書

骨髄幹細胞の肝細胞分化誘導における微小重力環境の影響

研究課題

研究課題/領域番号 17790896
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

山田 高嗣  奈良県立医科大学, 附属病院, 医員 (20316061)

キーワード骨髄幹細胞 / 微小重力 / ES細胞 / 肝細胞分化誘導
研究概要

今年度、我々は骨髄幹細胞から微小重力環境下に肝臓を分化誘導するための準備実験として、以前から行なっているhanging drop culture培養系でのembryoid body(EB)を用いた、多能性を有する胚性幹(ES)細胞から肝細胞への分化誘導に関する研究を行った。
hanging dropにて5日間培養してEBを作製した後、ES細胞の分化誘導を試み、肝細胞特異的に取り込まれるindocyanine green(ICG)試薬がES細胞由来の肝細胞の同定に有用であるかどうかを検討した。ICG陽性細胞は免疫組織化学染色でalbumin陽性を示す三次元構築をもつ細胞群として分化することを突き止めた。この細胞群をRT-PCRで解析したところ、肝細胞markerであるalbumin, α-fetoprotein, transthyretin, α-1-antitrypsin, glucose-6-phosphatase,および内胚葉マーカーであるHNF-3βの発現を認めた。さらに、電子顕微鏡を用いた形態学的解析では、細胞質内に多数のER, lysosomes, Golgiの存在が明らかとなったほか、cell-cell contact(desmosomes)およびbile canaliculusも確認された。さらに我々は、EBの培養日数を6日間に延長した実験系によりES細胞から蠕動運動能を有する腸管の分化誘導にも成功した。電気生理学的にも解剖学的にも(粘膜上皮、平滑筋、ICC、神経細胞)腸管特異的な特徴を有していた。発生学的に肝臓が原腸から分化することを考えると、これらの結果は今後、骨髄幹細胞から微小重力環境下に肝臓つくるという命題にとって大変重要かつ画期的な発見であると考えられる。現在、骨髄幹細胞を角いた実験の前に、マウスから分離した肝細胞を用いてSpheroidを作製し、微小重力環境における形態変化を分析中である。今後実験計画申請書に記したように、微小重力環境下に骨髄幹細胞からの肝臓の分化誘導を行い、重力が臓器分化誘導に及ぼす影響を検討したいと考えます。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 蠕動する腸管の作成2005

    • 著者名/発表者名
      山田高嗣
    • 雑誌名

      Frontiers in Gastroenterology 10巻3号

      ページ: 66-74

  • [図書] Embryonic stem Cells-II : Methods and Protocols. Methods in Molecular Biology Book Series2005

    • 著者名/発表者名
      T.Yamada
    • 総ページ数
      16
    • 出版者
      Human Press

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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