• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

赤血球酸素センシングを介した低酸素性血管拡張機構の解明と医療応用

研究課題

研究課題/領域番号 17790898
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

赤津 知孝  慶應義塾大学, 医学部, 嘱託(非常勤) (20338057)

キーワード赤血球 / 低酸素応答 / 血管拡張機構 / ATP
研究概要

【背景】
「低酸素性血管拡張における赤血球の役割」が近年大きな話題となっている(Stamler et al.,Science 1997;276:2034-7)。組織における酸素の需要および供給のバランスがどのようにコントロールされているのか不明である。
【研究目的】
本研究では「赤血球が周囲の酸素需要を感知し、ATPを血管拡張のシグナルとして放出し、局所の血流を調節することで適切な酸素供給を行っている可能性」について検討する。具体的には、(1)ATPの放出が何により規定されているのか(特にヘモグロビンの四次構造との関係において)、また、(2)赤血球から放出されたATPが実際に血管拡張を起こすか(血管拡張を起こすのに必要十分な量であるか)を明らかにする。低酸素時に起こる血管拡張が、Stamlerらのいう赤血球からのNO放出ではなく、ATP放出によって起こっていることの証明が最終的な目的である。
【研究結果】
(1)-I 赤血球からのATPの放出は低酸素時に有意に増加していた。(1)-II ヘモグロビンに一酸化炭素(CO)を結合させてR-stateに固定した場合に低酸素性のATP放出反応は有意に抑制された。(1)-III ヘモグロビンのα鎖に一酸化窒素(NO)を結合させてT-stateとした場合、低酸素刺激がない場合でもATPの放出を認めた。(2)現在、赤血球から放出されたATPが実際に血管拡張を起こすか(血管拡張を起こすのに必要十分な量であるか)を分離灌流血管を用いたモデルにおいて検討中である。
【今後の展望】
本研究は「ヘモグロビンのアロステリー(構造・機能相関)に修飾を加えることで、局所の血流を人為的に制御できる可能性」を示唆するものであり、将来救急救命、外科侵襲学領域への幅広い応用が期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 赤血球酸素センシングを介した低酸素性血管拡張機構の解明2005

    • 著者名/発表者名
      赤津 知孝
    • 雑誌名

      G.I.Research 12・4

      ページ: 332

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi