平成17年度は、まず、抗原刺激による内因性IL-18の産生が、上皮細胞によるものであるかを検討した。 1.気管支上皮細胞からの病原体成分によるIL-18産生誘導:マウス気道上皮細胞株(TGMBE-02-3)をマイコプラズマの菌体成分であるMALP-2、グラム陽性菌の菌体成分のペプチドグリカン(PGN)、グラム陰性菌の菌体成分のリポポリサッカライド(LPS)を用いてin vitroにて刺激し、上清中の活性化型IL-18産生をELISAにて測定したところ、濃度依存性にIL-18産生誘導を認めた。 内因性IL-18の産生が気道上皮細胞から確認できたため、同様のことが腸管上皮細胞においても起こりうるかの検討をすすめた。 マウス小腸上皮細胞株の入手が困難であったため、これまでにOVA特異的Th1又はTh2細胞を正常マウスに移入し、生体内にOVA特異的メモリーTh1/Th2細胞を有するマウスを樹立していることより、病原体成分によって腸管炎症が発症するかを検討することとした。 2.OVAによって誘導された腸管炎症モデルの作成:これまで作成した生体内にOVA特異的メモリーTh1/Th2細胞を有するマウスにOVAとIL-18を経口投与し、腸管粘膜を組織学的に検討し、腸管炎症が誘導できるかをTh1メモリーマウスおよびTh2メモリーマウス各々について検討することとした。 OVAおよびIL-18を経口投与後、腸管を採取。組織学的検討をおこなっているところである。
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