研究概要 |
1.血小板数に対する虚血部位の改善の検討。 TPO及びc-mplノックアウトマウス(TPO,c-mpl-/-)はワイルドタイプ(WT)に比べ骨髄組織中の巨核球及び血中の血小板数が少ない。これらのマウスで下肢虚血モデルを作成後、経日的Laser Dopplerを用いて左右の血流比を測定するとTPO及びc-mplの虚血の改善はワイルドタイプと比較し、有意に遅延した。この実験より虚血の血流改善に血小板数が関与するか確認した。 2.TPOによる血小板増加は虚血部位の血流を改善するか否かの検討。 a)TPOによる血流改善効果 TPO及びc-mpl-/-はWTの下肢虚血モデルにAdTPOを結紮部に筋注し、経日的Laser Dopplerを用いて左右の血流比を測定するとc-mpl-/-はTPO及びWTと比較し有意に血流改善効果の遅延を認めた。 b)TPO投与による血中の血小板数、VEGF値の測定 TPO-/-及びWTでは血中の血小板数およびVEGFの上昇を認めたがc-mpl-/-では認められなかった。 c)免疫組織化学によるPECAM陽性細胞数/筋繊維の測定 TPO-/-及びWTではAdTPO投与後PECAM陽性細胞数/筋繊維の数の増加を認めた。 d)骨髄組織における巨核球の数 TPO-/-及びWTではAdTPO投与後骨髄中の巨核球の増加を認めた。
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