研究概要 |
1)グリオーマにおけるAurora-Aの発現について グリオーマの細胞株U251,U87,T98Gなどの細胞にてAurora-Aの発現を確認した。ウエスタンでは48kDaの高さにAurora-Aの蛋白を認め、免疫染色においても分裂期に優位に発現を認めた。他の癌細胞株と同様に、分裂期紡錘体に局在していることがわかった。また、ヒトグリオーマ摘出組織を用いて、抗Aurora-A抗体で免疫染色すると、グリオーマ細胞に高発現していることが確認できた。これは悪性のグリオーマのほうが発現が高く、Aurora-Aの発現量とグリオーマの悪性度はある程度相関していた。 2)Aurora-AのsiRNAによる発現抑制について グリオーマの細胞株U251,U87において、他の癌細胞株で有効であったsiRNA oligonucleotideを用いて、Aurora-Aのノックダウンを行った。それぞれの細胞株でAurora-Aはノックダウンされていた。 3)ヒトグリオーマ細胞株を用いたヌードマウス、ヌードラットxenograft modelの作製 ヒトグリオーマ細胞を用いて、ヌードマウス、ヌードラットの皮下にU251,U87,T98G細胞を用いてxenograftモデルを作製した。U251の細胞株は非常に良好にxenograftが作製できたが、U87,T98G細胞では作製できなかった。また、頭蓋内のxenograft modelも同様の細胞を用いて作製したが、やはりU251の細胞株で良好に頭蓋内xnograftモデルが作製できた。したがって、in vivoでのAurora-Aノックダウン解析はU251細胞株を用いることが良いことがわかった。
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