研究概要 |
まず,GFP遺伝子が核内で特異的に発現するよう,Histon-H2B遺伝子とGFP遺伝子との融合遺伝子を作製した.次に、このHiston-H2B-GFP融合遺伝子を腫瘍細胞内にリポフェクション法を用いて導入し、遺伝子が染色体にトラップされ恒久的に強い蛍光を発するクローンを、クローニングシリンダー法またはリミテッドダイリューション法を用いて選択した。次にこの選択された細胞にRFP遺伝子を導入することで、最終的に核内にGFPが、細胞質にRFPが恒久的に発現されるヒト肉腫細胞およびマウス乳癌および肺癌細胞の各クローンを作成した。また樹立した蛍光蛋白発現株の増殖能,転移能などを明らかにし,親株と同等の性質を有していることを確認した.実際の動物実験モデルを作成し,肺転移巣などが観察できることを明らかとした.また,付随実験として,培養細胞系にて容易に融合細胞を識別できることを明らかとした.以上のことから,GFP,RFP蛍光蛋白同時発現細胞を樹立し,このモデルのin vitroおよびin vivoにおける基本的観察技術を確立した.今後は引き続きこの確立したクローンを用いて,生体内での転移様式,治療効果などを経時的に観察する予定である.
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