研究概要 |
ペントバルビタールで麻酔した日本白色ウサギに頭窓を作成した。,ネックターニケットを装着し、二酸化炭素応答とアセチルコリンに対する脳軟膜動脈血管の反応を、生体顕微鏡を用いて直接観察できるように設定した。生体顕微鏡可の観察により一過性全脳完全虚血に維持されていることを確認した。6分間の一過性全脳完全虚血により、二酸化炭素応答は完全に消失した。一方で、アセチルコリンに対する応答は維持された。これは、血管内皮細胞の昨日は残存しているにもかかわらず、神経細胞機能が消失しているために一酸化窒素の放出が消失しているためと考えられた。一方、低体温を導入しても、二酸化炭素応答は消失したにもかかわらず、アセチルコリンに対する反応は維持された。また、その程度は、常温の時と比べて差を認めなかった。これは低体温を導入したにもかかわらず、虚血になると脳神経保護効果が必ずしも発揮されない可能性があることを示唆している。 一方、ニトログリセリンなどのNOドナーの投与を併用しても一過性全脳虚血後の脳血管応答は回復しなかった。これは神経細胞から放出されるNOの障害だけではなく、血管内皮細胞の機能低下が背景にあると考えちれた。吸入麻酔薬のような血管内皮細胞と神経細胞の両方に作用する脳血管拡張薬を投与した場合も、常温において、全脳虚血前後では明らかに血管拡張応答の消失を認めた。これらの知見は従来から指摘されたMCA閉塞法による一過性局所虚血モデルに一過性全脳虚血モデルも類似しているが、必ずしも完全に一致していないことも明らかになった。
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