血管内皮を機械的に除去したブタ冠動脈のリング上標本(内径2mm)で以下の実験を行った。 1)等尺性張力変化 内因性Rhoキナーゼ活性薬Sphingosylphosphorylcholine(SPC 0.01-10μM)による等尺性張力変化を測定した。SPCは濃度依存性にツタ冠動脈を収縮させた。次にSPCによる収縮の15分前に揮発性麻酔薬セボフルラン(0.5-2MAC)または選択的Rhoキナーゼ拮抗薬Y27632(2μM)を血管標本に付加し、SPCによる収縮反応を検討した。セボフルランはSPCによるブタ冠動脈の収縮反応を濃度依存性に抑制した。選択的Rhoキナーゼ拮抗薬Y27632はSPCによるブタ冠動脈の収縮反応を完全に抑制した。 2)細胞内カルシウム濃度と等尺性張力変化の同時測定 ラットにおいてpreliminary studyとは実験の設定が異なるため、実験結果が不安定であり実験を継続中である。 3)細胞内RhoA、Rhoキナーゼ活性の測定 ブタ冠動脈標本を10μMSPCで20分処置し、この時の血管平滑筋内RhoA、Rhoキナーゼをウエスタンブロット法で測定を行っている。現在、実験を継続中である。
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