アフリカツメガエルから卵母細胞を採取し、α_1グリシン受容体、α_1β_2γ_<2s>GABA_A受容体、NR1/NR2A NMDA受容体、GIRK1/2チャネルを発現させた。まず、ギャバペンチン(GBP)のグリシン受容体、GABA_A受容体、NMDAグルタミン酸受容体、G蛋白質活性型内向き整流性カリウム(GIRK)チャネルに対する作用を検討した。GBPは臨床濃度(<30μM)においてNMDA受容体を濃度依存的に抑制した。グルタミン酸の濃度反応曲線に対するGBPの影響をみる実験からGBPは非競合阻害的にNMDA受容体を抑制することがわかった。一方、グリシン受容体、GABA_A受容体、GIRKチャネルには1mMまで全く作用しないことがわかった。GBPの神経因性疼痛への有効性は一部にNMDA受容体抑制作用が関与していると考えられる。これらの結果はAnesthesia & Analgesia誌に現在投稿中である。また三環形抗うつ薬のデシプラミン、アミトリプチリン、選択的セロトニン取り込み阻害薬のパロキセチンのGIRKチャネルに対する作用の検討から全ての薬物が濃度依存的にチャネル機能を抑制し、臨床濃度の10μMで有意に抑制することがわかった。このことはこれらの薬物がもつ痙攣誘発作用の機序の一部を説明するものであると考えられる。そしてGABA_A受容体への作用を調べた実験から全ての薬物は300μMまでは作用がみられなかった。GABA_A受容体を介した薬理作用は無いことが推測される。また、カプサイシンのGABA_A受容体に対する作用の検討ではカプサイシンが濃度依存的でかつ強い抑制作用を持っことがわかった。現在のところカプサイシンの薬理作用とGABA_A受容体抑制作用との関係は不明である。
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